俳優仲代達矢が、昨今話題になった年金不正受給問題を題材にした映画『日本の悲劇』に主演していたことがわかった。『春との旅』の小林政広監督と再びタッグを組んだ問題作だ。 『日本の悲劇』は、仲代の「また一緒に映画を」という要望を受けて小林監督が書き下ろしたオリジナル脚本だ。仲代演じる主人公?不二男は、愛妻の死、心の病が原因で失業した息子、そして自身の病と不幸の連鎖が連なり、虚無感に捕らわれてしまう。さらに東日本大震災が追い打ちをかける。不二男は、最後の希望を息子に託すことを決意する。それは、部屋で自らが餓死し、不正受給した年金を息子の生活費に当てさせ、再就職という新たな一歩を踏み出させること。 部屋に閉じこもって自ら死を選択しようとする不二男と、父の横暴を阻止しようとする息子。一軒家の密閉された空間で、父子の息詰まる攻防戦が展開する。映像はモノクロ。しかも...